大会史上初めての親子同時出場が実現した。

　ゴルフの“祭典”マスターズは現地時間10日、ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開幕。今年で第78回を迎えた同大会だが、これまで親子が同時にオーガスタの舞台に上がったことはなかった。今回その偉業を成し遂げたのがクレイグ＆ケビンのスタドラー親子（ともに米）だ。

　60歳の父クレイグは1982年の大会覇者。米レギュラーツアーで通算13勝を挙げ、現在もチャンピオンズツアーで活躍している。そんな父の背中を見て育った息子ケビンが、父と同じプロの道を歩き始めたのは自然の流れと言えるだろう。そしてそのケビンが今年2月のウェイスト・マネージメント・フェニックス・オープンでツアー出場239試合目にして初Vを飾ったことで父の長年の“夢”が実現した。

　練習日には一緒にコースをプレーして、マスターズ独特の雰囲気を親子で楽しんだ2人。第1ラウンドはケビンが第2組で午前7時56分にスタートし、クレイグはその4組後にコースへと出て行った。

「あまり緊張しなかった」というケビンは4バーディ、2ボギーの2アンダー70で回って首位と2打差の5位タイと最高のスタートを切ったが、父は2番でボギーを叩くとずるずるとスコアを崩し前半だけで6オーバー。後半は13番で唯一のバーディを奪ったが、結局10オーバー82の単独95位（出場97人中）と最悪の初日となってしまった。

　とはいえ、息子がツアーで優勝し、そろってオーガスタに出るのを待ち続け、夢が叶った今年を最後に勇退を宣言している父は、満足そうな表情でトレードマークの髭をなでていた。その期待に息子がどこまで応えることが出来るのか。親子の表情も合わせて見守りたい。