全米オープンチャンピオンのジェフ・オギルビー（豪）の追撃を交わし、27歳のマイケル・トンプソン（米）が念願のツアー初優勝を飾った。

　米男子ツアーのフロリダシリーズ初戦、ザ・ホンダ・クラシックは現地時間3日、フロリダ州のPGAナショナルGCチャンピオンCを舞台に最終ラウンドの競技を終了。今季4試合に出場し3試合で予選落ち、最高位が78位タイとどん底にいたトンプソンだが、首位タイからスタートしたこの日は3番パー5でのイーグルでペースを掴むと一時後続に4打差をつけ逃げ切り態勢に入った。

　しかしオギルビーが16番でグリーン奥のピンチから絶妙のアプローチでチップインバーディを奪うと、トンプソンはその16番で3パットのボギー。最終18番を迎えたときにはオギルビーに1打差まで詰め寄られていた。しかも第2打がバンカーにつかまり、池に向かって打つ難しい状況に立たされる。だが今週のトンプソンはひと味違った。バンカーからの第3打をピンそば1メートル弱に寄せバーディで締めくくり渾身のガッツポーズ。

「自分のゲームプランを貫くことだけを考えていた。リズムも良くて、内容も良くて、まるで魔法のような1週間だった」と夢見心地で初勝利を喜んだ。

　最終日はアンダーパーをマークしたのがわずか5人という難コンディション。ワン、ツーフィニッシュのトンプソンとオギルビーはともに1アンダー69にスコアをまとめ、トンプソンが通算9アンダーで逃げ切り、オギルビーは2打差の単独2位に食い込んだ。

　その他上位陣では、通算5アンダー単独3位にルーキーのルーク・ガスリー（米）、通算3アンダー4位タイにジャスティン・ローズ（英）、キーガン・ブラッドリー（米）、エリク・コンプトン（米）らが入り、ヨーロッパを主戦場とする実力者たち、リー・ウェストウッド（英）、チャール・シュワーツェル（南ア）、グラエム・マクドウェル（北アイルランド）らが通算2アンダー9位タイでベスト10入りを果たした。

　注目のタイガー・ウッズ（米）は最終ホールこそイーグルを奪って見せ場を作ったが、途中ダブルボギー2つ、ボギー4つを叩く乱調で4オーバー74と崩れ、通算4オーバー37位タイで4日間の競技を終了。期待外れの結果に終わっている。

　尚、世界ランク1位のローリー・マキロイ（北アイルランド）は親知らずの痛みを訴え、大会2日目の途中に棄権を表明。日本勢唯一出場の石川遼は予選で姿を消している。